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 エヌ?シー?ジャパン(以下,NCJ)のMMORPG「The Tower of AION(以下,AION)」は,正式サービス開始から2か月あまりが経過している。今年最大級のオンラインゲームとして鳴り物入りで登場し,βテストの段階では順風満帆であったが,正式サービス開始以降になるとさまざまな問題点が浮き彫りになってきた。

 なかでもクリティカルな問題は,ゲーム内で数多く見かけるBOTとおぼしきキャラクター,そして7月末頃から急速に増えてきたアカウントハック関連である。NCJは利用約款違反行為への対策を地道に続けており,その経過報告を随時行っているが,ゲーム内で遊んでいるプレイヤーの視点では,目だった改善点がなかなか見えにくいのも事実。これらに端を発する運営チームへの要望?不満は,AION関連のありとあらゆるコミュニティで目にする。

 そういったなか,4Gamerではプレイヤーアンケートを敢行。テーマはとくに設けず,AIONについて思うこと全般である。
 スケジュールの都合上,アンケートの受付は29時間弱とかなり短めだったが,それでも2153通もの回答が得られた。そして回答の中でとくに多かったのは,上述の規約違反行為と,種族の作成制限をはじめとする各種ゲームバランス関連,そしてそれらを全部ひっくるめた運営チームへの要望である。

 今回は,これらの主なアンケート回答をベースに,AIONの運営チームへ直接質問をぶつけてみた。対応していただいたのは,AIONプロデューサーの西本直樹氏,QAチームリーダーの清板義貴氏,GOチームリーダーの海老塚寛史氏の3名である。インタビュー自体は,9月11日に行われたが,連休や東京ゲームショウなども挟んで掲載が遅れてしまい,話題に挙がっている対応のうちすでに実施されているものもいくつかあるなど,やや機を外してしまったことをまずお詫びしておきたい。
 正式サービスが開始されてから,運営チームがこうやって表に登場するのは本記事が初となる。非情に長いインタビューになってしまったが,現在のAIONにおけるさまざまな問題点に言及しているので,隅々まで読み進めていただきたい。


アカウントハックは,なぜ発生したのか?


AIONプロデューサー 西本直樹氏
4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは3人がそれぞれ,AIONをはじめとしたNCJのタイトルに,どのように携わっているのかをお聞かせください。

西本氏:
 AION日本プロデューサーの西本です。以前は弊社のほかのタイトルにも携わっていましたが,現在はAIONに専念しています。

清板氏:
 弊社の全タイトルに関する,QA(Quality Assurance:品質保証)を統括している清板です。入社したのは約8年前で,NCJの設立当初からオンラインゲームに携わっています。

海老塚氏:
 AIONをはじめ,リネージュ,リネージュIIなどMMOタイトルのGO(Game Operation)チームを統括しています。

4Gamer:
 AIONの正式サービスが始まってから,2か月あまりが経過しました。これまでの活動を振り返り,今の心境はいかがですか。

西本氏:
 AIONを日本で立ち上げるにあたり,ローカライズをはじめコミュニティ作りからなにから,すべての作業を一つずつ積み重ねてきました。印象深いのは,“パワーウィキ”をはじめとしたWebサービスが膨大な量だったことで,スタッフ一同は本当によく頑張ってくれたと思います。
 最初に計画したローンチスケジュールから,今のところはほぼ予定どおりに進めることができ,その結果,予想していたよりもたくさんの人達に楽しんでいただけています。blogなどを通じてAIONに対する感想は毎日拝見していて,感謝の気持ちで一杯です。
 ただ,現在は不正行為への対策が間に合ってはおらず,プレイヤーに不便な思いをさせてしまっています。この点だけは,なによりも優先して解決せねばと思っています。

清板氏:
 すでにレベルキャップに達する人がいるなど,コアな人にとってはゲーム内コンテンツが結構消化されてきており,この点を懸念しています。10月13日に,大型アップデート「Episode 1.5 龍族の侵攻」を滞りなく実装するのはもちろん,その後もコアな人も含めたプレイヤーさん達の期待に応えていかねばならず,若干焦りに近い気持ちもあります。
 そして,RPG関連のコンテンツは消化されつつある中,いかにPvPを楽しんでもらうかという部分が,AIONにおける大きな課題になると思っています。

海老塚氏:
 アカウントハックや不正行為への対策,そしてプレイヤーさんへのフォローが完全には出来ていないと痛感しています。ゲームとして楽しんでいただくのはもちろんですが,それ以前に,これらのサポートをどのように充実させていくか,常にそのことを考えています。

4Gamer:
 アカウントハック関連ですが,現在かなり深刻な状況ですね。今回のアンケート結果がすべてではないにせよ,応募していただいた2153通中327名の方が被害に遭われているようです。

西本氏:
 アカウントハックは,正式サービスの開始後から急激に増えました。弊社では盗用の事実を確認次第,復旧作業などの対応を行っています。

4Gamer:
 このアカウントハックは,NCJさんのタイトルではAIONに集中しているのでしょうか。それとも,ほかのMMOタイトルでも万遍なく発生しているのでしょうか?

西本氏:
 まず,オンラインゲーム業界全体の傾向として,アカウントハックが深刻な問題となっています。
 弊社のタイトルでいうと,AIONに極端に集中していますね。ハッキングを行う側は,換金目的のために行うことが多いです。お金になるという意味において,新作タイトルでありプレイヤーの規模が大きいAIONが狙われやすいという面はあると思います。

4Gamer:
 プレイヤーは,どういった経緯でアカウントハックを受けているのでしょうか。

西本氏:
 もっとも多いのは,Flash,ActiveXなどのセキュリティ上の脆弱性を利用して盗用されてしまうケースですね。

海老塚氏:
 具体的にはちょうど去年の今頃,Flashの脆弱性が発覚したのですが,その際はリネージュIIにおいてアカウントハックが一気に増えました。ActiveXに関しても,今年の6月末頃に脆弱性が発覚し,それから7月中旬までの間に被害が多発しています。この時期は弊社のみならず,他社さんのタイトルも含めた業界内全体でアカウントハックが増えています。

4Gamer:
 なるほど。確かに昨年の秋頃から,ほかのオンラインゲームタイトルでもかなり頻繁にアカウントハック被害が聞かれるようになっていましたよね。

海老塚氏:
 そのほかでは,AION関連も含めた,とある外部Wikiがハッキングされ,悪意のあるプログラムが埋め込まれていたという事例がありました。7月中旬にこの問題は対処されましたが,そのサイトにアクセスしたプレイヤーの情報が盗まれた可能性が非常に高いです。

西本氏:
 逆に,7月中旬以降 にパスワードを変更された方の被害報告は極端に少ない状態です。また,先のActiveXの脆弱性に関しても,8月のWindows Update以降はアカウントハックされているケース自体が,かなり減っています。

4Gamer:
 ということは,プレイヤーが行うべき最低限の対策法は見えてきた感じですか。

西本氏:
 ええ。まずはWindows Updateをはじめとした,Flash,ActiveX,ATOKなどの関連ソフトウェアのアップデートです。こういった脆弱性は,今後も発覚する可能性は十分にあります。重大な内容につ
引用元:SALE-RMT ゲーム通貨とWebMoney販売 買取 SALE-RMTは安心をあなたに
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